〝題字〟は歴史の証人【制作部あれこれ21】
編集長が変わっても安定する紙面の〝秘密〟
編集長が変わっても安定する紙面の〝秘密〟
この記事を書いている今は、ちょうど各種広報紙の年末号・新春号の制作がピークを迎えているところです。翌年の紙面企画や新年度の体制についてのご相談は年度末が一番多いのですが、年末の今の時期から徐々に増えてきます。春には人事異動や広報委員さんの交代もあるので、それを見越して紙面に新しい風を…ということで、年度途中であっても新たな挑戦をされるお客様も多いです。
人の意欲も状態も時に変化するけど…
私たちは長年お客様と相談しながら仕事をしているので、かなり古くからお世話になっているお得意様も結構いらっしゃいます。改めてその歴史を思い返した時、その間に委員長さんは何度も何度も交代されていますが、ずっと安定した紙面づくりをされているお得意様が多いのが、弊社の特徴です。
お客様とのお付き合いが長くなると、時代によって委員会の特徴や状況、熱意などリズムの変化があることに気づきます。委員長さんの意欲が強い時もあれば、他のことで忙殺されて身の入らない時期も経験しました(特にコロナの時など)。熱量の多い時は、紙面刷新についてよくご相談をいただきます。その内容の主なものは、題字(=新聞名)のデザインやタイトル名の変更、他にも紙面をカラーにしたい、写真やイラストを増やしたい、色合いを変えたい、という案もよくお聞きします。
伝統のある紙面は〝題字〟を変えないで
時代の変化に合わせて紙面を見直してみるのは大切です。ただ、〝題字〟に関するご相談を受けた時に必ずお伝えしているのは、「慎重に検討して下さい」ということです。以前のコラムでも述べたことがありましたが、題字やレイアウトフォーマットは、ずっと使い続けることが基本原則となります。なぜ原則かというと、読まれている紙面ほど、特に「題字」は想像以上にその団体の〝顔〟として定着していることが強いので、その時々の思い付きで変更を繰り返したりすると、そこで発行が途絶えてしまう例が不思議なくらい多いのです。
組織の歴史の波を乗り越えてきた価値を、次代へ繋げていけるかどうか?(次の担当者にも同じ熱量で引き継いでいけるか?)という視点が〝イイ〟広報紙には特に大切ですね。
お客様の熱意に沿った効果を考えます
紙面刷新は色々と考えるべきことが多いので「慎重に…」とお伝えするのですが、一方お客様からの「やってみたい」という前向きなご要望をお聞きできるのは、こちらとしても嬉しいことです。お客様と弊社とでアイデアを出し合って、思わぬ?効果を生み出すこともよくあります。お客様の良きパートナーとなれるよう、2026年も取り組んでまいります。
写真=題字が並ぶ…弊社編集サロンの「お客様作品の掲示パネル」
(社報『紙ブログNEWS』2025年新春 第58号)