紙面製作に“アナログ編集”って表現はおかしい!

 最近当社でも少なくなってきたのですが、機関紙や広報紙をお客様立ち合いのもとで、割付用紙(レイアウト用紙)を使って編集レイアウトする作業があります。新聞工程というのは短納期なので原稿入稿後に即、紙面を確定しなければ、後の工程に差し支えるからです。新聞タブロイド版なら担当1人で4面~8面分を1日で完全レイアウト(印刷仕上がり状態を確定)します。

編集現場に「アナログ」という概念はない
 こうした紙面づくりの現場に当社の新人スタッフや大学のインターン生を、実習として同行させる場合があるのですが、その報告や感想に「アナログ編集現場」「アナログ的…」などの表現がよく出るので甚だ困ってしまいます。編集という作業の理解の度合いが低いので仕方がないかもしれないが、編集現場ではアナログやデジタルという概念自体がナンセンスなので、今一度編集作業の根本的な理解が必要だと感じています。
 
割付作業は最短で“完成レイアウト”を行うこと。
 仕事の流れをお話しするとあたりまえのことですが、新聞の編集(割り付け)作業は当然、原稿締切り直後(それが日単位なのか時間単位なのかは別として)に開始。割付用紙(レイアウト用紙)に記事の流れ、見出しコピーと紙面デザインや文字飾り、写真の大きさやトリミングなどを確定。つまり最短時間で最終仕上り状態を決定することですね。そこでGOサインがでて初めて生産ラインの工程(組版→ゲラ出力→校正→製版→印刷)という手順になります。
 
アナログという言葉が出てくる背景は生産工程のデジタル化?
 アナログという言葉が出てくる背景にはには、技術革新で生産工程のほとんどがデジタル(コンピュータ)化されてきたこと。当然、新聞組版ラインも完全デジタル化されて久しい。アナログとはそれ以外の手仕事の総称として言ってるだけであろうが、編集現場はいかに時代が進もうと人間の頭脳を酷使する仕事であることに変わりはない。必要なのは編集作業の最短の効率追求と紙面の合理性と完結性(確定性)が求められるだけです。
 
背景に「デジタルの方が早い」とする根本的な勘違い
 その勘違いの最たるものと思われるのが、レイアウト用紙を使う手作業よりデジタルの方が早いと思っているフシがあること。編集作業は先にものべたように紙面割(どの面に何の記事を掲載するか)、同じ面でもどの記事をトップにするか、見出しをどのようにつけるか、そのスペース配分と字体とデザイン飾りは…。でもこれはいつでも人の頭脳作業です。ただ(デジタルの方が早いとする)勘違いの元凶と思われるのが、次々刻々入稿する記事の本数確定や文字量の計算です。今でも電卓をつかって…ですね。また写真のトリミングや縦横寸法出しなど。結構厄介でじゃまくさい作業が多いからでしょう。
 
「入力してから」では遅すぎる…どこまでも人の経験とスキル…職人仕事
 でも、紙面のレイアウト現場は、ギリギリの時間で上がってくる原稿がデジタル原稿か手書き原稿かは当然問えません。外部依頼原稿などはファックスや速達なんかで来る。イラストや写真もデジカメデータとプリントの混在。その日(時間内)のうちに紙面レイアウトを確定するのに、まず入力してから…では遅すぎる。「何しに来てるんや」と怒られますよね。だから今も昔もかわらない職人仕事なんですよ。デジタル化するより絶対に早いんです。そんな中での見出し(キャッチコピー)、レイアウト、見えない段階できれいなデザインを確定する。ここではなにより経験、スキルがモノをいう。職人仕事の世界です。



“認知度”が変わる広報紙の効果【第7回“紙ブログ”広報セミナー2014より】

  みなさんは本を読んでますか?先週22日(金)にも月一恒例『第7回紙ブログ編集セミナ

ー』でしたが、そこで常連参加の細川さんとうちの社長とでたびたび読書トーク?(書評?)が繰り広げられ、私はうんうんと聞いていても実は???……でした(すみません)。もっと活字の本で勉強しないとな…。(な)

 
進むべき方向性に全体を編成するのが広報紙
 さて、当日はそういった雑談?も含めつつ…セミナーもきっちり行いました。前回までのセミナーをおさらいしますと、「会社(コミュニティ)の人、スキル、技術を伝える」というテーマで、広報記事のカデゴリーづくりをしました。今回はその「カテゴリ」をさらに「各企画記事のタイトル(テーマ)案」へ昇華する流れを考えました。それには前提となる経営(運営)理念や事業方針が必要だということで、前2回のセミナーで整理しました。「うわっ、そこまでしなければあかんの…」ということになるのですが、「記事をカテゴリ別に振り分ける」という作業を始めると、結構このこと(会社・組織の方向性)がネックになってくるので、じゃあこの際、最初の理念づくりからのほうがいいし本質的でしょ…ということでミッチリやりました。このカテゴリー作業は、ブログを書いている人にとっては日常作業ですが、ブログをやってない人にとってはこの理念・指針のテーマに沿った「コラム」案をダイレクトに作るという作業になりますね。
 
つまり“伝える”とは伝達の速さとは違った観点が必要
 ブログ・SNSを日常やっている人は、ここまでの作業的は同様なのですが、ここからは広報紙としての機能について考えていかねばなりません。ネットと“紙”広報の役割・機能の違いって?今回はここからがテーマとなりました。
 毎回お話している通り、ネット(ブログ・SNS)は伝播力が圧倒的に強いこと、特にフェイスブックなどのSNSは「いいね!」などは記事がどの程度ヒットしているのかをある程度把握することができる利点があります。ただ会社(組織)の方向性をもって伝えたいときには速さや反応力とは違った観点が必要になってきますね。具体的に言うと、ブログなどはデータベースとしての階層構造になっていて更新を重ねるほど古い記事は埋もれてしまい読みにくくなります。だからというのではないですが…一つのカテゴリー、たとえば『社長の雑記帳』コーナーを拾い出すのはそれ相応の『読者側』の作業が必要になってきますね。
 
方向性を企画(編集)することでより確実に目的地に
 広報紙の役割と機能は伝播力よりも方向性(ベクトル)です。会社(組織)の方向性を表現するのに『社長の雑記帳』コーナーはどう読まれるべきか…という方向性が『発行側』に必要ですが、逆に主導権がこちらに移るということでもあります。ここで初めて“編集”という作業が必要になってきます。「この会社の社長なに考えてんねん」という人がいると想定して、こちらで見える方向に配信する作業が“編集”ということになるでしょうか。紙広報物がブログと大きく違う点は、一つの紙面に様々な記事が混在しているだけでなく、読者にとってお気に入りの『コラム』があれば、それがいつもの位置に配置されていて、それと連動して他の記事に引き込むといった効果をあらかじめ期待すること。そして紙面全体で方向性を意図して出すことですね。紙広報物にはこうした機能があります。これを今回当社のブログカテゴリーと『“紙”ブログ』のコラムタイトルの微妙な違いとして検証してみました。
 
だからブログ、紙広報物の使い分けが必要です
 このようにブログ・紙広報物にはそれぞれに役割があり、うまく使い分けることが大切ですね。このどちらにも「営業ツール」としての役割が大前提としてありますが、だからと言って媚びを売るような記事を書く必要はありません。今回の話は、ブログ・SNSが急速に発展した「現代」だからこその話題でした。

 



会社=組織が見える生きた紙面の第一歩【第6回“紙ブログ”広報セミナー2014より】

 先週の7月25日(金)、日が落ちてもかなりの暑さの中、第6回の「紙ブログ広報セミナー」を開催しました。毎回参加の細川社長がH?agen-Dazsのアイスクリームを持ってきてくださいました! 当社でもセミナーの日にはお菓子を用意しているのですが、暑い日にはお菓子よりこれがなにより。ありがとうございました!

 
近道は『経営理念』『営業方針』づくりから…前回のおさらい
 さて、第4回(5/23)と5回(6/27)と2回、広報紙づくりの前にまず営業計画や事業計画を整理していきました。そして今回、この整理した(事業・経営)方針に沿ってようやく「記事のカテゴリー」を考える…というテーマに取り組みました。当日は細川社長に、自社の経営方針をまとめたものをお持ち頂いたので、より具体的なお話ができました。(な)
 
『経営理念』に基づいた『カテゴリづくり』で編集方向を整理
 今回セミナーのサブテーマは『会社の人・スキルや(企業、組織)文化を伝える』という大仰なテーマですが、難しく考える必要はありません。ただ何度もお話している通り、社報(会報)は商品チラシではありません。なのでまず人や社風や考え方を知ってもらおうということから…。つまりこうした側面から紙面のカテゴリづくりを始めます。
 ただ社報(会報)といえども営業ツールには違いないので、まずカテゴリ作りにあたって、あらかじめ整理した経営・営業方針から「表現したいもの(知ってもらいたいこと)」を考えます。細川氏の『ワーカーズコープLLC』では3つの理念がありました。「居心地の良い住まいづくり」「安心安全なまちづくり」「技術・技能の継承・発展」。
 
出してきたカテゴリをテーマ化して、いくつかの『コラム』を企画
 いよいよ紙面企画です! 先の3つの理念で言えば「居心地の良い住まい」はまだしも、「安心・安全なまちづくり」「技術・技能の継承・発展」は仕事としては見えづらい。でも会社経営の根幹にある理念(あるいはポリシー)ですね。見えづらくても本当は伝えたいところ。ここが社報のならではの紙面カテゴリづくりの第一歩。今回は記入シートで、「方針・理念」→「カテゴリづくり」→「広報タイトル」という順に記入。それを数項目作ってみました。
 
“テーマ”をコラム記事にして継続してみる
 フジイ企画で発行している社報『紙ブログ』の例では、カテゴリ=「営業方針」→タイトル=「○月度早朝営業会議より」。カテゴリ=「自社のサービス内容と考え方」→タイトル=「肌で感じる編集サロン」など。現在継続発行中なので、そこに自己評価欄もつくりました。他にも「藤井寛の雑記帳(社長の考え方を公表するため)」「私の休憩室(スタッフに親近感を持ってもらうため)」など、色々なカテゴリにそったコラムも同様に検討。
 
記事を『パターン化=コラム化』することで紙面もブレず継続が楽に
 このように『カテゴリ→テーマ』をコラム化しておけば、以後の記事やレイアウト構成を「パターン化」できるため、ラクに発行できるようになります。そこで大事な“記事内容”に力を入れることができるんですね。フジイ企画の『紙ブログ』も、カテゴリ、レイアウト共にパターン化しており、皆様が感じるより簡単に発行できていると思います。本当はパターンの中に一部イレギュラーな紙面(特集面)があったほうが面白いのですが、それはゆとりができてから挑戦しましょう。
 
 今回のお話は、方向性をもった紙面企画への一歩を踏み出そうとしている方にぜひお聞き頂きたい内容でした。以前、自社で新聞を作っておられた細川社長も「こういう話は最初に教えてよ~」と仰っておられました。でも根幹になる経営指針書ができたので7割方完了、あとは具体化のみです。



『肌で感じる編集サロン』で“スッキリ”コミュニケーション

 ようやく学校は夏休みですね。7月仕事は学校関係が中心なので、納品終了を境にフジイ企画も一挙に夏モード。この春から取り組んできた納品後の皆さんの“声”も戻ってきました。

 つい先日、ブログ『フジイ企画ニュース』(7月早朝営業会議報告)でもお伝えしたとおり、工程中にお応えできないお悩み事や疑問、またご不満などを解消するために、お客様アンケートを実施することになり、このコーナー『肌で感じる広報紙編集サロン』でフィードバックすることになりました。
 
スムーズな紙面づくりで大事なコミュニケーション
 お客様との仕事を始めるにあたって、当社が心がけていることは、お客様とのコミュニケーション。とりわけ入稿前の打ち合わせが大事で、最初に紙面企画をお聞きして紙面割の打ち合せが第一歩。色々なご相談にものっています。それに合わせて日程表(工程表)をつくってお客様と交換するのも当社の特徴かもしれません。ご満足いただける紙面づくりと迅速な発行には不可欠です。だから、大事なことは最初の広報委員さんとの(メール・ファックスも含めて)対話ですね。特に年度替りなどの区切りの時期には出来るだけお会いしてお話するようにしています。と言っても、残念ながら編集委員さんによってはお忙しい方が多くて、すべてのお客様にお会いできているわけではないですね。
 
皆様のイメージを紙面に反映するための流れ
 そして工程が始まって一番最初に、打ち合せして決定するのが紙面割(記事の割り振り)です。双方で確認した内容でレイアウト(続いて組版)をします。組み上がったものは、当然、お客様にとって初めて見る印刷物の体裁ですね。だから初校(1回目の校正)時が第2のコミュニケーション。出来上がったものが意図したイメージと違ったり、解釈が違っている場合、見て初めて気づく様々なニュアンスの違い、というのもありますよね。こうしたことも含めて初校(初めての校正)時に解決していきます。で、再校(2回目の校正)は訂正後の再確認ということで基本的には文字校正のみということでお願いしています。
 
工程上ご要望に十分お応えできないこと…について
 なぜこういうお話をするかというと、ご要望に対して十分にお応えできない作業もあるからです。よくあることですが組版後の“紙面変更(組み替え)”など。つまりページをまたいだ記事の入れ替えなどですね。製作の担当者は最初の打ち合わせで決定した紙面割りに基づいて編集・組版します。『新聞組版』は様々な“決まりごと”や“禁止事項(タブー)”があるので、それを考慮に入れて作業することに一番労力をかけます。なので単純に見える記事の入れ替えであっても、整合性をとるために全面組み替えになってしまうこともあり、納期の遅れにつながったり、できた紙面に責任を負えなくなったりします。
 当社としては決められた時間(納期)と“(紙面上の)品質”の両方を確保するため、最小限(といっても最大限の効果)の訂正でご対応させていただくことに…。
 
皆様の疑問、不満の解決のための『サロン』に
 このように仮に皆様の疑問、不満を感じていても工程中は対処できないこともあるので、“良い”だけでなく“納得”の紙面づくりのために、発行後と次の入稿前に皆様とのコミュニケーションを密にしていきたいと考えています。お会いできないお客様や今回のアンケートにご回答いただいた皆様には、このフジイ企画ニュースの『肌で感じる広報紙編集サロン』にできるだけフィードバックするようにいたします。どのような質問にも基本的にお答えしますので、アンケートのご回答とともにこのコーナーをご活用ください。



広報紙発行の本音?…経営方針をたたき台!!【第5回“紙ブログ”広報セミナー2014】

  毎月第4金曜日の夜に開催している「“紙ブログ”広報セミナー2014」ですが、前回(5月)のセミナーでは「よい紙面は“組織(会社)の指針”に導かれて…」ってことでしたが、じゃあ具体的に、どんな指針で自分たちは仕事(運営)をしているの…?ということで、6月度セミナー(6/27)は具体例として「番外編」で「フジイ企画の概要と現在の取り組み」というテキストを進呈してお話させて頂きました。

フジイ企画のプレゼン資料をチャッカリ利用…
 何で…って、実はこの数日前、ある仕事のコンぺでちょうど当社のプレゼン資料を提出したばかり。この「フジイ企画の概要と現在の取り組み」は入札のための資料なんだけど、当社の考え方と方向性を示したもので、フジイ企画を知ってもらうには“もってこい”だったので(宣伝してすみません)、テキストとして使うことに…。
 
発行するにはやっぱり方針と計画が必要だから
 でも、これには当社の営業方針から社報発行への経過も記載してあって、当社が皆様にお配りしている社報『“紙”ブログ』やブログニュースのコンセプト作りの原点なのです。広報紙を継続して発行し続けている会社や団体やグループは、基本的に発行する基礎となっている運営方針(企業なら「経営方針」)と運営計画が必ずあります。今回はいい機会だったので“実例”から考えよう…ということで俎上に乗せさせていただきました。
 
シビアな課題も見えてきて…
 参加者の細川さん(ワーカーズコープ社長)、毎月来て下さっているので、シビアに業務の考え方を見ていただく機会。前回は、細川社長にワーカーズコープの特徴を根掘り葉掘りお話いただいたので今回はウチが…。今の『“紙”ブログ』の編集方針と紙面があるのはここから…って話、面白かったかしら? ちょっと宣伝のしすぎ~!? でも、いつでも色々な“課題”満載ということもわかったのでは。
 
まず広報紙づくりの「本音の目的」をみてみよう
 なんだかフジイ企画の会社説明会みたいになってしまった感がありますが、こういった「経営計画・指針づくりが紙面の中身作りと連動している」ということなんですね。広報紙づくりを始めよう!といったときに、「どんな記事にしよう…」と言う前に、まず広報づくりの「本音の目的」を明らかにしてみては…。
 ちょっと固い内容に見えるかもしれませんが、このセミナー、お菓子を食べながらざっくばらんに話し合って進行しています。来月も7/25(金)の18時からセミナーを予定しておりますので、ぜひぜひお気軽にお越し下さい!(な)
 
 
フジイ企画の概要と現在の取り組みとは
 今回のお話は、当社の一例ということになります。指針をまとめるにあたって、当社では下記の4つの項目に振り分けました。インデックスのみご紹介します。
 「①会社概要」。ここでは、取り扱い品目、業務内容のほか、向かうべき方向性も記載。例えば、エンドユーザーまでの一貫生産を重視していて原則的には下請け仕事はしないこと。
 「②近年の動向・ニーズとそれに対する会社の考え方」。世の中もう紙媒体は必要ないといった「動向」に対して当社がどう考え、どんなアプローチをしていくか…など。
 「③商品・サービスの特徴」。宣伝メディアを振り分け、ネットにはない印刷物の特性を徹底的に検証し、必ず効果を出す広報物づくりで評価…など。
 「④今後のプラン・目標」。ペーパーレス時代での紙広報物の意義と価値を理解し、必要とするお客様に特化し『納得』の紙面づくりを提供するという方針…など。
 そうすると、あとはそのための仕組みはどうするのかとか、受注ラインを見直す必要があるんじゃないのかとか、そういった具体的な課題・目標を提起、そしてそのためのニュースの編集方針の確立。


新聞の『右開き』『左開き』の基準ってどうなの?[編集サロン]

20140701学校新聞は学期途中の発行って合理的でいいね
 ようやく7月。でも、もう大分前から真夏ですね。当社にとってこの時期は学校のPTA新聞が追い込みの季節です。大体の学校は休み前の終業式(夏・冬・春休み前)に発行するのですが、お客様の中には学期の途中(中学校なら中間テスト前後でしょうか)に発行されるところもあります。本音ところを言えばこの時期って合理的でいいですよ。(こっちも仕事が集中しなくて楽ってか?…それもあるけど)。ではなく新入生や学年を迎えてしばらくたった時っていうのは父母にとっても何事も動き始めたころ。一番情報がほしい時です。新鮮なタイミングに発行するのはグー。

 日本語文章の基本は縦組み。タテヨコ両方あっても『右開き』が基本
 6月前半に納品を完了させていただいた、そうした学校の広報委員長さんから一本のお電話がありました。何か起こったか!?と話をお聞きしてみると…。
 「当校のPTA新聞は『ヨコ題字』(「○○新聞」という題字がヨコ組み)なので紙面を開く方向は左じゃないか(左開き)」って…言われたとのこと。日本語の新聞は文章は縦組み。左から右へめくる『右開き』が基本。当方は「これで正しいんですよ」ってお話になったのですが、写真のようなPTA新聞の組み方の場合、結構悩む人多いかも…。

 『題字』がヨコ組みでも基本がタテ組みだから…
 このお話、もともと『題字』だけのお話だったので、ちょっとお話が違うかもしれないけど、全ての記事がヨコ組みだった場合(欧文新聞など)は当然右から左へめくる『左開き』です。

 この紙面の場合『右開き』『左開き』どっちなん?
 でも日本人ってタテヨコ“両刀遣い”でね。同じ紙面(新聞)の中でもタテヨコ混在してて、こんな時迷っちゃうね。特にこの(例)ように、見開き2ページ分が先生紹介コーナーで横書きで紹介されている場合…つまりヨコ組みの方が多い。でもこれ、基本的に文章というわけじゃないからこのページだけみれば、右開きでも左開きでもいいんです。紙面全体が横組みの場合は『左開き』になりますね。でも今回は1面記事がタテ組み記事を基本にしているから、これはやっぱり『右開き』です。

タテヨコ“両刀遣い”のすごい日本の『新聞文化』
 日本語新聞は近代以後、タテヨコ混在になったからレイアウトに相当な自由度があるんですよ。新聞100年の歴史で、これの複雑であっても美しい編集セオリーが作られてきた。欧米の新聞ではこんなことできませんよ。これってスゴイ文化だと思いませんか?

実は日本のマンガ文化もそう。右開きで相当複雑なことやってますよ。その点についてはバックナンバーで取り上げてみたのでアドレス書いておきます。是非お読みください。



まず自社(組織)をよ~く見つめて【第4回“紙ブログ”広報セミナー2014】

 あっと言う間に5月も終わり、いよいよ6月です。この時期社内では、夏発行に向けての広報紙制作が重なり、春先に比べては少し忙しくなります。体調管理に気をつけたいですね~。

 さて、5/23に開催予定だった『第4回“紙ブログ”広報セミナー2014』ですが、毎回参加の細川さん(ワーカーズコープ社長)のご都合に合わせて、30日(金)に開催することになりました。少人数なので少し寂しい気もするのですが、反面、距離が近くて個別の事例でお話できるのがこのセミナーのいいところかも…。(な)
 
『紙面』に目指す方向性を持たせるために…
 たびたびお知らせしている通り、このセミナーは「“紙”広報物の意味と価値を知って、最大限効果を発揮するための方法」を参加者の皆さんと考えていこう、という趣旨です。広報紙発行の目的は…色々ありますが、端的に言えば企業さんならやっぱり「営業ツール」ですよね。ではそのために、どんな紙面を作ればいいの?何から始めたらいいの? そこで今回のテーマは、広報紙づくりの前段階として、「広報紙づくりを始める前にまずやっておきたいこと(押さえておきたいこと)」をもう一度具体的な質問項目を作って進めていきました。
 
紙面づくりの前に下記の項目を埋めてみて…
 そこで今回は左記の5項目の設問をつくって記載していただくことからスタート。「①仕事の内容は?②自社の特徴は?③他社との違いは?④自社の方向性・理念・ポリシーは?⑤仕事のスキルアップの方法と成果は?」。この質問に具体的に答えを埋めるにつれ、自分のやっている仕事を整理できますし、徐々に営業方針も浮かび上がってきましたね。…でも、これって社報の記事になるの?
 
自分と会社の方向性を見つめるところから
 当然これ、そのままでは記事にはなりませんね。ではなぜ、こんな質問に答えるの? 例えば細川さんにご回答いただいた「①仕事の内容」について見てみると、建築施工は協力者ネットワークで→ブローカー?→いやコンサル重視だ。で「②自社の特徴」は「お客様の相談の内容を時間をかけてよく聞く。でも工事は速くする」です。これって、会社の自己分析と経営理念・指針づくりに似てませんか? 
 
よい紙面は“組織の指針”に導かれて…
 社報はひとまずおいといて…!?  まず会社が取り組む必要のあることはこれからの経営の方向性ですよね。つまり効果的な紙面づくりは(編集方針)は、これに導かれていきます。さて、ここからが紙面企画です。例えば「お客様の相談の内容を時間をかけてよく聞く。でも工事は速くする」なら「わが社の誇り」をテーマとしたコラムが作れますよね。
【例】会社の全体像→笑いの絶えない会社→『スマイル家族コーナー』
【例】営業方針→営業先を経営者個人に絞る→『社長の隠れ家』コラム …など 
 こういったように、効果的な紙面づくりは、経営計画や事業計画といった「会社方針」に導かれていきます。紙面の中身づくりで大切なのは、まず自社(組織)の特徴と方向性を見つめ直すところからですね。



“戦略的ブロガー”からスタート【第3回“紙ブログ”広報セミナ―2014】

 4月も後半にさしかかり、日差しがきついと感じる日もありますね。もうすっかり春ですが、花粉症がつらいという方もおられるのではないでしょうか…。さて、今年2月から始まった「紙ブログ広報セミナー2014」ですが、参加者のご都合などもありまして、4月25日(金)に今年度初めてのセミナー開催ということになってしまいました。実のところ5ヶ月ぶり!? 毎回ご参加のワーカーズコープの細川社長、いつもご参加頂きありがとうございます!(な)

『フジイ企画NEWS Yearbook2013』はどうしてできた?
 さて既報の通り、フジイ企画の活動やお客様との交流を1年間の記録としてまとめた『Yearbook2013』が先日完成し、皆様への発送を開始いたしました。
 今回は、久しぶりのセミナーということもあり、今一度「広報紙を発行する意味と効果」という大テーマから、今回この冊子『Yearbook2013』の進呈。同時にすぐにご覧いただいて、これをテキストにいくつかの意味と効果を考えてみました。
 
『ブログからはじめよ』でまず書いてみること
 フジイ企画では昨年から月に一度『紙ブログ』という広報紙を発行しています。ご存じのようにこれはブログの記事を再編集したものです。発行の狙いは大きく分けて、①顧客とのコミュニケーションを密にする、②自社の方向性と経営理念をお客様に明らかにする、③私たち自身の仕事のスキルアップ、の3点です。
 ところが、この3つの狙いは当初からはっきり把握できていたのでもなかったのです。フジイ企画では2007年からブログを中心に、当社の考え方やお客様の情報などを配信していました。ネット営業に本格的に力を入れたのは一昨年からですが、ブログの特徴であるデータベース機能に意味があると改めて知ることに…。つまり記事のテーマごとのテゴリー分類が意味を持ってきます。
 
カテゴリーづくりは編集方針を建てる第一歩
 で、『事務所だより』『お客様情報』『雑感』『イベント』…などいくつかのカテゴリーを作りました。そのあとはまず“記事ありき”で色々な記事を書き、後に予め作ったカテゴリーに振り分けていきます。ところが色々書いているうちに複数のカテゴリーに分類できるような記事や、どれにもあてはまらない記事ができたりしたので、整理統合や新設を繰り返して現在の分類になったのです。これの繰り返しが結果的に“何をつたえるか”という営業的なテーマの整理にもなりました。それが前述の『3つの狙い』になったのです。現代の広報紙は「ブログの再編」が有効だということで皆様にまず『ブログ』をお勧めする理由です。
 
ブロガーから広報マンへの道へ
 ただブログには、大きく全体を編集する機能はないので、水のように流れていっていまうこと、また営業的にお客様との“リアル”のコミュニケーションをどこでとるのか…という課題が残ります。ペーパーレス(デジタル)というのは情報の機能的な伝達では効率がよいのですが、全体の方向性や感性や熱を伝えたいですよね。それを手渡しコミュニケーションという手段に“変換”したのが、『紙ブログ』でありその一年の集大成である当社の『Yearbook2013』でした。今回はこれを大きな“たたき台”にして。より実践的で具体的な方法を考えてみました。いずれにせよ広報ツールはいつでも進化の途上です。



発行者にとって『広報紙づくり』の成果って!?

 昨年末の選挙宣伝物に始まり、そのまま学校のPTA新聞のシーズンに入り、バタバタとしているとあっという間に3月です。やっと暖かくなる日も増えてきました。さて、先月末2月28日(金)は第1回目の「紙ブログ広報セミナー2014」の開催日だったのですが…参加予定だったお客様が急な予定で欠席となってしまい、社長とお茶菓子と私だけが残されてしまいました。せっかくの機会なので、このセミナーの目的や進め方について社内でも検討、研修してみました。(な)

『価値のわかる広報マン、戦略的ブロガー』って“やってる”あなたのこと
 昨年まで行ってきたセミナーは、「広報紙を発行することの意味と価値」についてお客様と話し合ってきました。今回からは一歩進んで、「成果を出せる広報紙作り」をテーマにしてセミナーを進めていきます。本年のタイトル『価値のわかる広報マン、戦略的ブロガーのための “紙ブログ”広報セミナー』って、ちょっと大仰すぎますね。これまで“しんぶん”作りをされてきて、十分その価値と楽しさを分かっている方、また日常的にブログを執筆されている方という意味で、だからもちろん初めての方でも対象となります。ところで…。

広報紙は「伝えたいことを伝えるため」って言うけれど…
 ちょっと突っ込んでお話しますと、これまで“しんぶん”づくりをやってる方も、ブログをやっておられる方も、これを続けることの意味って何でしょうか? 広報紙づくりは「伝えたいことを伝える」のが目的なのだけれど、よくよく考えてみると「本当は何を伝えたいの?」ってところが結構あいまいになる。面白い記事、楽しい話は気持ちいいですね。それの“反応(率)”ってことも、みなさん結構気にしてますね。「でも本当のところ発行し続ける意味ってなんだろう」。

広報紙発行に対してあなたが考える“成果”ってなんですか
 今年のテーマ「“成果”を出せる広報紙づくり」って簡単に言ってしまったのだけれど、実はここのところが非常に重要です。「自分たちは何をしてて、何を知ってもらい、どう動きたいか」など、一つひとつの記事以前に、まず前提(発行趣旨)がありますね。今年はそこから皆さんと考えていきます。ですからセミナーでは既に制作している広報紙があれば、それを検討材料としてお話を進めていきましょう!

 次回セミナーは3月28日(金)ですので、ぜひ一緒に考えていきましょう!

写真=住吉第一中学校にて広報委員さんと(2013.10月29日)


紙面づくりのスタートはこれで決まり!【PTA広報委員さんが編集相談で来社】

  年が明けてお正月と思ったら、あっと言う間に1月も後半です。寒さもどんどん厳しさを増していきますが、風邪には注意したいところ…。

 さて、選挙仕事も一段落した21日(火)、当社のお客様の中学校のPTA広報委員長のMさんが、3月発行の紙面企画のご相談に来社されました。フジイ企画にとっては年末の冬休み号からの新しいお客様です。前回はPTA広報委員さんから提供された原稿を元に、新しい紙面のスタイルとフォーマットで題字などのデザインなども変えて発行しました。今回は2回目だけど年度最終。発行前の紙面企画についてステップアップです。これからよろしくお願いします。『肌で感じる編集サロン』、紙面づくりのスタートに関するエピソードです。
 
まず、行事と企画の整理でやれることが分かる
 いつもの「前年度踏襲のごあいさつと写真」は面白くない…。紙面刷新はいいけど…委員さんも少ない。じゃあどうしたら?というところがスタート地点ですね。掲載記事を決める前にまず、この期間の行事をまず列挙。PTAの行事、学校の行事、3年生の卒業…など、バンバン列挙。その中で書けそうな記事を選んで整理していきます。これできる…。これできない…。記事にできる行事やテーマを決めたら、記事の切り口を検討(卒業生特集は=記念スナップ写真集?この1年の歩み特集?卒業生の一言集?)。まずできないことはやらずにできることだけ決めますね。
 
紙面割作業で企画がカタチになっていく
 記事が決まったら、文字数と写真枚数を決めて、紙面企画で選んだ記事を各面ごとに(ホワイトボードで簡単に)割りつけていきました。(文字数、写真の枚数なども決まりました。【ちょっとここでレクチャー】①文章記事の目安は紙面全体の1/2以内、②写真・図表・カットは1/4、③見出しは1/4の割合で紙面を配分することで、読みやすい紙面をつくることができます。そうすると必要字数も写真もすぐ出ます。これで決まりですね。もう紙面の骨格が見えてるでしょ。
 
雑談を交えての紙面づくりは楽しい
 この間、雑談を交えながら約1時間半。Mさんが最初に来社されたときは「記事どうしよ~…」といったご様子でしたが、内容が決まるとすることも決まる。「頑張って(記事作り)やってきます!」といい笑顔。こちらとしてもほっとしました。お力になれたのなら嬉しいです。紙面レイアウトデザインや組版などはフジイ企画でお手伝いすることができるので、そういった作業はこちらにお任せ頂けたら…と思います。これからも是非お気軽にご相談にお越し下さいね!(な)