手書き原稿の処理【制作部あれこれ6】

記念の寄せ書きをキレイに残すために

 PTA広報紙の卒業特集号で毎年よくご依頼いただくのが、手書き原稿による紙面です。今回はこちらについて少し解説してみます。
 手書き原稿とは、書道作品や寄せ書きなど、文字打ちせずに手書きのまま紙面に掲載する原稿です。基本的にはスキャンしたままではなく、印刷に適した形式に変換したり、大きさを微調整したり、補正(ゴミ取り)などをおこなっています。その作業内容の一例を紹介します。

①スキャン(現物支給の場合)
 できる限り高解像度設定でスキャンします。ここで素早くスキャンするため、原稿は各クラスごとなど、なるべくまとめていただくようお願いしています。

②画像補正
白黒データに変換し、明るさ調整などで細かいゴミは飛ばします。不要な罫線や、罫線と重なってしまっている文字などは、この時点で処理しておきます。元々の文字が細かったり薄かったりすると、この段階で消えかけてしまいますのでご注意ください。

③トレース
ベクターデータへ変換します。簡単に言うと、この変換によってきれいな仕上がりになります。その後、②で取りきれなかったゴミを取っていきます。一つ一つ取るのは大変なので、必要な部分だけ保護して、不要な部分は一括で消します。

④整列・文字補正等
名前やアンケート項目など、各要素をあらかじめ作成しておいたフォーマットへ整列させます。同時に、文字の大きさも調整します。手書き文字なので、どうしても文字の形・大きさ・間隔にバラつきがあるため、一文字ずつ整えていきます。すべて終わったら、バラバラにならないようグループ化します。

ここまでで、やっとレイアウトのスタート地点です。この作業は一例ですので、原稿内容に合わせて対応いたします。原稿の作り方についても、いくつかお願いごとがありますので、ご入稿前に一度ご相談ください。

(社報『紙ブログNEWS』2021年春 第43号)



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