紙面装飾を考える【制作部あれこれ8】

目的は〝伝える〟こと 過剰な飾りは逆効果

 新聞やパンフなど媒体にかかわらず、印刷物の目的は「情報を伝える」こと。かっこいいレイアウト、おしゃれな色使いなど、視覚的な要素が果たす役割も重要ですが、それらはあくまで手段のひとつです。

装飾のしすぎは読みにくくなる
 専用のソフトウェアを使えば、影、光沢、グラデーションなど、様々な装飾を作ることができます。ワードやエクセルでも、結構凝ったものを作れますよね。
 こういった効果を使うと確かに目立ちますが、使いすぎると読みにくくなったり、全体のまとまりが無くなったりして、読者に負担をかけてしまいます。あちこち装飾するのではなく、「ここぞ」というところだけに使うようにして、意味なく派手にしないようにします。

フォントへの飾りもつけすぎないように
文字自体にも、太さ、色、サイズ、下線、斜体…など様々な装飾方法がありますが、これらを併用しすぎても読みにくくなります。文字の縦横比については、正体(=縦横変形していない文字)が原則です。大見出しは縦横比を多少変えることで迫力が出ることもありますが、その場合でも過剰にならないよう気をつけます。

媒体・目的の違いを理解したデザインを
カタログ・パンフレット等は、書かれている内容がより重要なので、フルカラーであっても装飾は見出し色の変更程度にとどめます。反対に、単色スミ版の広報紙では、白黒であってもカラフルに感じられるように、ある程度装飾を施すことがあります。

ユニバーサルデザインの視点から
ところで、「ユニバーサルデザイン」という考え方があります。年齢、障害の有無、性別、国籍などにかかわらず、できるだけ多くの人々がわかりやすく、利用できるようにデザインすることです。
パッと見て読みやすく、わかりやすい紙面づくりを心がけることは、この考え方に通じるところがあります。それは文字の組み方、フォント選び、行間設定など細部にわたって工夫の余地があります。お客様が「伝えたい」と思っている情報が、十分に伝わるような紙面づくりを追求していきます。

(社報『紙ブログNEWS』2021年秋 第45号)



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