活字の大きさの感覚をつかもう [編集ミニ講座](12)

 本文で使用される日本語の文字の大きさは? 

 日本語の本文用の文字の大きさは媒体の違い(新聞、雑誌、書籍)にもよりますが、11~14級(8~10ポイント)が主流です。…とお答えするのですが、そもそも、その大きさの感覚わかりますか?
 文字の大きさを示す単位は、現在はオフセット印刷(平版印刷)が主流なので、「級」「ポイント」などの単位が使われます。今皆さんが使っているDTPソフト(イラストレータやインデザインなど)では、このいずれかではないでしょうか。
 『インチ』か『センチ』の違いが
 この基本単位は度量衡の基礎が『インチ』か『センチ』かの違いで、1ポイント=1/72インチ。1級=0.25mm(1/4mm)となります。「ええっ、そんなん覚えられへん」ということですが、これは基本知識として知っておくだけでいいのです。ただ「級」については私たちがよく使うセンチが基本なので計算するなら、たとえば『10級の文字といえば0.25×10=2.5mmか』ぐらいは知っておいた方がいいでしょう。
 
 パソコン作業で退化!?した「大小」感覚
 それより大事なのが、この活字の大きさの感覚です。たとえば9ポイントの文字ってどのくらいの大きさか、感覚でつかめてますか? 最近の会報紙や機関紙で、本文文字が必要以上に大きすぎたり、逆に小さすぎて読みにくいものを多く見かけます。その主な理由は、パソコンの普及によるDTP(デスクトップ・パブリッシング)が原因だと考えられます。今の編集組版現場を見てみると、レイアウト全体や、写真の配置、文章校正などの全ての工程がデジタル化されています。その中での細かい作業はPCの特徴である「拡大縮小ツール」を使って作業されているせいで、実際の大きさが分からなくなっているのでは…と思われます。
 
 「割付用紙」を使って作業するのが大事
 私たち本業ですら、編集の基本である割付用紙によるレイアウトをせず、いきなりパソコンに向かうことが多くなっているので大きな反省材料です。この感覚を養うためには、編集・組版に際しての基本である紙の『割付用紙』に立ち戻り、実際の大きさの紙面を念頭に、読みやすい文字の大きさを決めていく作業が不可欠だと考えています。字の大きさは『級数表』などをたえず見て感覚的に覚えていきましょう。

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