報道の視点から考える『スケッチ写真』と『イメージ写真』 [編集サロン20]

  前回、紙面における、写真、見出しの割合についてのお話をしました。今回はちょっと踏みこんで、その中での写真の扱いについてのお話です。写真を通じて何を読者に伝えるかということで扱いが変わってくるというお話です。簡単に言えば文章中心か写真をメインにするか…!

 
『イベント写真(スケッチ写真)集』はメリハリつけて
 たとえば学校新聞などで体育祭、文化祭の記事があったとして、そのイベントの中身の報道する場合、結構お客様は「写真アルバム」なみに様々なシーンの写真を多用するということが多いです。私たちはここで使用する写真を『スケッチ(写真)』という呼び方をしています。この場合、全体の中で躍動感のあるシーンの写真を数点選んで使います。当然メインのアイキャッチをどれにするかを決めてバランスを取ります。
 
『編集方針』からの写真の選び方とは
 でもこれとは違って、この文化祭や体育祭のあり方やイベント内容に言及した記事を掲載する場合どうでしょうか? 例えば記事内容が「参加者が少なかった」「イベント内容が最初の趣旨にそぐわなかった」などの課題報道、また意見欄・アンケート集約・論評など文章中心の記事。そんな場合でも写真を使いますか!? 
 
写真を記事内容に合わして「イメージ化」する
 第一回セミナーで文字・写真・見出しの紙面での割合のお話をしたのですが、写真を使っていただきたいのはむしろこちらの方です。文字原稿に力を入れた分「読みづらい」紙面になりがちなので、「文字:写真:見出し=2:1:1」の基準で、ここでは写真と見出しをセットに考えて1:1とした方がいいかもしれません。私たちはこういう写真をスケッチと区別して『イメージ(写真)』と呼んでいます。(あっ、このカテゴリー分けもフジイ企画流で、一般的にはどう呼ばれているか知りません)
 
 究極は『スケッチ写真』じゃなく、意図を持った『イメージ写真』に! 
ただ誤解があってはならないのですが『イメージ(写真)』といっても、実際、報道用に撮った写真を使用することに変わりはありません。ただ、写真の扱いに編集方針の明確さを加味する(イメージ化する)作業が必要だということで、少し高度な判断=感性がいるかもしれませんね。でも様々な出来事に人の思い(考え)や情感を総合的に伝えるという視点から考れば、「写真集」として写真を並べるより、一歩進んで他の原稿と一緒に写真も絞り込んで、考えさせる紙面にしていきたいですね。
写真は学校PTA新聞(当社お客様)から引用



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