2020年春、創業30周年を迎えて
生きること=楽しむこと
若いころは「映画館へ行く」という習慣はなかったのですが、最近は妻の影響もあって、よく出かけます。
何事もそうですが、過去と現在の視点が大きく変化することってよくありますね。今回観た映画『最高の人生の見つけ方』もその一つ。必死で自分の存在位置を模索していた以前なら、スルーしていたような内容です。
余命数か月の宣告を受けた女性2人。人生のほとんどを家庭のためだけに捧げてきた60代主婦(吉永小百合)と、仕事だけに生きてきた大金持ちの女社長(天海祐希)が病院で偶然に出会ったことからドラマが展開。
死を待つだけの身になって、これまでの人生に空しさを痛感した彼女らが、たまたま手にした、12歳の少女が書いた「死ぬまでにやりたいことリスト」。二人は残された時間をこのリストに書かれたすべてを実行することを決意する。
リストの内容は、日本一の巨大パフェを食べるとか、スカイダイビング、エジプト旅行、『ももクロ』のコンサートでステージに上がるなど、これまでの人生で思いもしなかったことを実行するうちに、大事なことに気付き〝魂〟の奇跡が起こる。この気づきとは?…
超えた時、魂の声に奥深い感謝を感じます。
構造的な不況業種であるこの業界で、関係業者や仲間が頑張りながらも次々消えていく中、頑として我流を通すことに恐れや罪悪感も感じていました。しかしこの〝罪悪感〟は不要だったと、最近やっと気付きました。
いつも振り出しに戻していたのは、この恐れからの行動が元凶で、この30年間、よく考えてみると、「いつでも業績は改善しつつあった」のです。
さて、最後の旅に出た女性二人が大事なことに気付き〝魂〟の奇跡が起こった、この大事な気づきとは何だったのでしょうか。楽しさとワクワク感。これがエランビタール(命の躍動=愛へ導くもの)だと思います。自分を否定せずに「自分のやり方でいい」。もっと言えば「やりたいようにだけやっていればよかった」のです。
恐れを超えて自分を信頼すること。徹底的に自分との対話ですね。その中に見えて来るものが命そのもの。人生は同行二人。
世間的な倫理や、〝理〟にかなった(ような)他人発の〝成功法則〟はどれだけよく見えても、自分のものではないですね。まして他人と意見交換する性質ではないのです。
このドラマって、現代版「お遍路さん」哲学?。これまで気づかなかった究極の成功法則が見え隠れします。
この女性二人は死ぬ前に最高の気付きを得たのだけど、自分は、死ぬまでにもうちょっと研鑽時間がありそうです。でも死ぬ一秒手前でも十分です。
新たなパラダイムを迎えた2020年、もうこのゲームも限界かも知れません。新たな飛躍を楽しみながらいきます。(『紙ブログ38号』2020年新春号)(写真下=潜伏キリシタンの里「頭が島」)